コンペ写真に掲載する建築写真、コンペ写真のポイント 2

先の投稿の続きとなります。

リビングは正面撮りが基本

リビングに入った際に飛び込んでくる景色を撮るようにしています。

次に、各面の正面撮りです。極力、引いたアングルで、LDK全景を“正面撮り”します。正面撮りが大事です。シーリング照明の位置(特にペンダント照明)や、家具のレイアウトを配慮して正面を決めます。外観写真の次に象徴的なアングルになるので、慎重に撮影しています。次に、斜めに振った写真を撮ります。絵になる方向とそうでない方向があるので、そこの判断も大事です。LDKがL字の空間の場合は、斜めに振ったアングルはマストのカットになりますが、L字の空間も正面撮りを優先させます。

吹き抜け空間がある場合は、その上下の空間の関係がわかるカットと、吹き抜けの見上げ、見下げの両方のカットを撮影します。見下げはどちらかというと、イメージ的な写真となります。

LDKには大開口があり、開口越しに室内と屋外の関係がわかるカット、室内から見る屋外空間(庭やテラスや眺望)を開口越しに撮影します。稀に、屋外空間から開口を開けた状態で室内向きのカットを撮影することもあります。

高窓や吹き抜け開口からの光の落ち方も重要となります。陽の向きも気にしながらの撮影となります。
ソファに座った際の視線、キッチンに立つママの視線、畳空間があった場合、座った高さからの視線も撮影するようにします。住まう人の視線アングルの撮影です。

水まわり

キッチンとサニタリーゾーンの関係がわかるアングルも撮影します。同線が見えてくるようなアングルです。洗面/脱衣室では、収納機能や乾燥機能(物干し)などの機能性があることがわかるアングルを撮影します。デザイン性の高い洗面カウンターは照明の調整も含め、雰囲気のある写真とサニタリーらしい明るいカットの両方を撮影するようにします。

浴室が難しく、ユニットバスの場合は、単純な空間写真となります。色温度がシビアになる空間でもあります。
檜風呂などで、開口越しに坪庭などを望む浴室の場合、開口越しに見える風景を別カット撮りして合成を前提に撮影します。

トイレは極小空間のため、撮りにくいです。コツは便器を全て写す必要がなく、壁や照明などをメインに少し便器が写っているくらいでも良いと考えます。

階段室、廊下、玄関

階段室とオープン階段は少し、撮り方は異なります。階段室は、見上げや上階からの光の落ち方を表現するように撮影します。オープン階段は、スケルトン階段になることが多く、LDKから見るスケルトン階段の見え方、少しイメージ的なカットにありますが、場合によっては、真横から撮影することもあります。

廊下はアイストップがあれば、それと正対した正面撮りとし、玄関は、土間を少し入れ、玄関ホール、そして玄関に立った際に見えるものを、正面撮りします。またシューズクロークなどがある場合は、その空間と玄関土間との関係、玄関空間に手洗いがある場合は、玄関土間と手合いの位置関係がわかるカットで撮影します。